2023年7月22日(土)
青空のもと、落ち着いたたたずまいの空穂生家。
夏休みに入ったばかりの子どもたちが親御さんの手をひっぱって次々中に入っていきます。
この教室の事務局長、山下先生がにこやかにお出迎え。
午前の部は30名、
午後の部は25名の参加がありました。
(参加されたみなさま、ご協力ありがとうございます!)
講師の先生方がご到着です。
今回の講師は
石川陽生七段 田中悠一五段 上村亘五段 長沢千和子女流四段 の4人の先生方。
先生方のお話をみなさん、静かに聞いていました。
開会式の次は「模範対局」
小さい子は前へ。自然とゆずりあってそれぞれベストポジションを確保。
石川先生の解説つきの模範対局。
上座、下座。駒箱から駒を出す作法、並べ方。そしてあいさつ。
田中先生、上村先生の所作に注目です。
歴史ある古民家に響く駒の音。
庭から聞こえる鳥の声。
石川先生「途中ですが、ここまでにします。みなさんと指す時間がなくなってしまいますからね」
田中先生、上村先生からも対局時の心構えなどについてお話をいただきました。
みんなが模範対局に集中している間、塩尻支部のスタッフは指導対局のセッティング。
プロ棋士の先生方と来てくれたこどもたちの貴重な時間を目いっぱい楽しく過ごしてもらいたくて、手際よくこまごましたお仕事を進めています。
模範対局場から移動。
「えっ。いつの間に!?」すっかり指導対局仕様になったお部屋にびっくりする子も!
先生の前に座って指導対局がはじまります。
石川陽生七段。
【開会式のお話から】
この何年間か、コロナの影響でこの教室は人数を制限していましたが今回は人数を増やすことができました。
古い建物、日本文化のあるところで建物を大事にしてほしい、将棋も大事にしてほしいと思っています。
コロナもおさまってきているとはいえ油断しないで手洗いうがいをしっかりしていきましょう。
将棋についてはいろいろ教えていきますので、今日いちにちよろしくお願いします。
田中悠一五段
長野市出身の棋士。
四段になってからほぼ毎回講師として来てくださっています。
【指導対局のお話から】
将棋はふたりで指します。相手と気持ちよく将棋を指すために駒を升目にしっかり入れること、「お願いします」とあいさつをすることを大事にしています。
みなさんも将棋が強くなりたかったら、そういうところをより大事にしてほしいな、と思います。
上村亘五段
【模範対局のお話から】
将棋は技術的な面も大事ですが礼儀作法も大事なことです
見ていただいてわかると思いますが、駒箱をあけるところから礼を大事にしています。
駒箱をあけるところ、王将を並べるところ、対局開始の時、礼は何度でもします。何度しても気持ちがよく、落ち着いて対局ができます。
長沢千和子女流四段
長沢先生は長野県在住の女流棋士。
地元の子どもたちへのあたたかいまなざし、応援の気持ちが伝わってくるご指導に子どもたちもにっこり。
【模範対局でのお話】
このような歴史ある場所で棋士の対局が見られるというのはとても幸せな瞬間ですね。
この時間を記憶に残してこれからも将棋を楽しんでいただけたら。と思います
塩尻支部スタッフが プロ棋士の指導対局を待つ子どもたちのウォーミングアップに一役かっています。みんな充分あたたまったかな??
1枚目の青地にすいかのTシャツは、県の強豪としても詰将棋界でも有名な筒井先生です。
筒井先生は第4回門脇賞の受賞者です。
2枚目、全身赤の先生は言わずと知れたカープファン、丸山先生。
丸山先生は長野県将棋界の選手に詳しく、大会予想や結果を網羅した「MSD掲示板」を運営されています。(長野県将棋情報サイト掲示板とは兄妹関係です☆)
3枚目、エンジのシャツ、塩尻支部の赤木支部長。長野県将棋連合会の中で一番若い支部長です。
空穂生家将棋教室では毎回「初心者講座」も行っています。
駒の読み方、動かし方、なんにも知らなくてもOK!
塩尻支部の松本先生がくわしく丁寧に教えてくれます。
参加者の表情が「?」から「!」になる瞬間。またひとり将棋ファンが誕生しました!
お部屋にクーラーはありません。
あけ放った縁側からの風が唯一の冷房です。
みなさんの真剣な表情。
もちろん、先生方も真剣です。
そろそろ午前の部が終わる時間。
感想戦のあと、田中先生は駒のしまい方を優しく教えてくださいました。
午前の部閉会式。
代表して上村先生のお話。
「この場所でみなさんと将棋を指せたことがとても嬉しかったです。
保護者の皆様もお子さんの送り迎え、観覧をしていただきありがとうございました。」
最後は子どもたちと保護者のみなさんの拍手で午前の部を閉じました。
プロ棋士の先生方と塩尻支部のみなさん。
午後の部にそなえてエネルギーチャージ!
午後の部も模範対局があります。
「テレビ松本」の取材がはいりました。
スタンバイする先生方。
子どもたち、それに親御さんも静かに入室。
静謐な部屋に響く駒の音。
盤面に身を乗り出し、棋士を見つめる。
石川先生は平成13年(2001年)2月の松本市立芝沢小学校での「石川教室」、同年11月の芝沢小学校、空穂生家での「石川・勝又教室」からかぞえて22年、松本に来てくださっています。
↑平成23年信濃教育会 第15回「教育研究論文・教育実践賞」の論文です。
論文を書いたのは窪田空穂生家将棋教室事務局の山下先生(1枚目右)。
テレビ松本の記者さんから取材を受けています。
模範対局で使用した盤駒は山下先生の私物です。
お値段を聞いてびっくり!
記者さんの弟さんもその昔この教室に来たことがあるとか!
これもびっくり!
取材の一環として塩尻支部の黒岩さん(4枚目左)から手ほどきを受けていました。
午後の部も初心者教室があります。
全くの初心者でも安心して参加できるのが空穂教室の良いところ。
おとうさん、おかあさんも是非参加してみてください。
田中悠一先生は、四段に昇段した2008年(平成20年)からほぼ毎回空穂教室に来てくださっています。
身近に感じられる長野出身の棋士、こどもたちの憧れです。
上村先生は2013年11月に一度この教室に来てくださっています。
その時のレポートが残っていました!⇛こちらからどうぞ
10年ぶりの空穂教室、いかがだったでしょうか。
今年の2月には長野市犀北館で行われた棋王戦第1局の大盤解説会のPC操作のため来てくださっています。(田中悠一先生も大盤解説に!)
棋王戦第1局レポートは⇛こちら
参加者はもとよりスタッフにも、いつも細やかなお気遣い、お声がけをしてくださる長沢先生。
風は通るとはいえ、実はかなり暑かった会場なのですが・・。
まったく疲れをみせない長沢先生、すごくかっこよかったです。
局面が進んで夢中になって・・つい膝立ちになっちゃう。
一所懸命指して、先生にほめられて、最後はしっかりあいさつ。
「よくできました」
また、ほめられましたね。よかったね。
教室の風景
終了時間が近づいてきて。
塩尻支部の先生方が少しづつ片付けているところをみたこどもたちが集まってお手伝い。すごい!
閉会式。
今年の夏も空穂教室が開催できて本当によかったです。
棋士の先生方のお話を背筋を伸ばして聞き入るこどもたち。
地方で棋士の先生とふれあい、存分に将棋を指せる機会は貴重です。
石川先生、田中先生、上村先生、長沢先生、
そして教室開催にあたり準備をしてくださった事務局長の山下先生はじめ
塩尻支部の先生方、ありがとうございました。
次回秋の空穂生家将棋教室も楽しみにしています!
文責/長野県将棋情報サイト 管理人 小山
ミニ情報
(上村先生はモノマネがとても得意なのだそうです)